ERPが使いにくいのはなぜ?主な原因と問題点、改善方法を解説

公開:2026年8月

ERPを導入したにもかかわらず、現場から「使いにくい」「入力に時間がかかる」といった声が上がるケースは少なくありません。ERPの使いにくさは、日々の業務効率を下げるだけでなく、システムの活用率や投資対効果にも影響します。

この記事では、ERPが使いにくくなる主な原因や発生しやすい問題、改善方法を整理した上で、ERP本体を活かしながら現場の利便性を高める方法を解説します。

1. ERPが使いにくいと感じられる理由とは

ERPは、会計・販売・購買・人事など複数の業務を統合管理するための基幹システムです。全社のデータを一元管理できる一方で、多くの部門や業務プロセスに対応する必要があるため、専用システムと比べて操作や運用が複雑になりやすい傾向があります。

また、ERPは全社統制や業務標準化を重視して設計・運用されることが多く、現場部門にとっては入力項目や操作手順が多いと感じられる場合があります。導入後に「入力しづらい」「画面が分かりにくい」「自社の業務に合わない」といった課題が発生すると、活用が進まず、期待した業務効率化を十分に得られないおそれがあります。

2. ERPが使いにくい主な原因

ERPの使いにくさは、単純な画面デザインやUIの問題だけではありません。業務との不一致、周辺システムとの連携不足、運用ルールの複雑化など、複数の要因が重なって現場の負担増加につながるケースが少なくありません。

2-1. 画面や操作性が現場業務に合っていない

ERPの画面設計や操作フローが現場業務に合っていないと、利用者のストレスや入力ミスにつながります。例えば、1つの伝票を入力するだけでも多数の項目入力や画面遷移が必要になる場合、申請者は本来の業務とは別に大きな作業負担を感じるでしょう。

また、経理担当者向けの専門用語やコード入力が、現場部門にも求められることがあります。利用頻度の高い機能とほとんど使わない機能が同じ画面に並んでいると、必要な操作を見つけにくくなり、問い合わせや差し戻しも増えやすくなります。

2-2. ERP標準機能と自社業務にギャップがある

ERPは幅広い業務に対応できるよう標準機能を備えていますが、企業独自の業務プロセスや承認フローをそのまま再現できるとは限りません。従来の申請フローをERPの標準プロセスに合わせた結果、現場の作業手順が増えるケースもあります。

部門ごとに異なる運用ルールや、Excel・紙で対応していた例外処理をERP標準機能だけで吸収しようとすると、操作が複雑になりがちです。結果として、現場では「業務に合っていない」「かえって手間が増えた」と感じられることがあります。

2-3. システム連携や運用ルールが複雑化している

ERP単体で業務が完結せず、ワークフローシステム、請求書システム、経費精算システムなど複数の周辺システムを併用している企業も少なくありません。連携が不十分な場合、ERPと別システムへの二重入力が発生し、現場の負担が増加します。

さらに、部門ごとに入力ルールやマスタ運用が異なると、同じ内容の申請でも処理方法が変わり、確認作業が煩雑になるでしょう。システムそのものよりも、システム間のつなぎ方や運用ルールの不統一が、使いにくさの原因になっている場合もあります。

3. ERPが使いにくいことで生じる問題

ERPの使いにくさを放置すると、現場部門だけでなく、経理部門や管理部門、経営層にも影響が及びます。入力負荷の増加やデータ品質の低下により、ERP導入による効果を十分に得られなくなる点に注意が必要です。

3-1. 現場の入力負荷や業務効率の低下につながる

利用者がERPを負担に感じるようになると、本来削減できるはずの業務工数がかえって増加します。経費精算や請求書申請、振替伝票入力などに想定以上の時間がかかれば、現場の生産性低下につながりかねません。

また、入力ミスや申請不備が増えると、差し戻し対応にも時間を取られます。ERPの利用を避けるためにExcelやメールでの運用が残ってしまうと、業務の標準化も進みません。結果として、ERP運用と手作業が併存し、二重管理が常態化する恐れがあります。

3-2. 経理部門や管理部門の負担が増加する

現場での入力ミスや運用のばらつきは、経理部門や管理部門の確認作業を増やします。勘定科目や税区分の誤入力、証憑の添付漏れ、承認ルートの誤りなどが多発すると、経理担当者は修正や差し戻しに追われることになるでしょう。

特に月次決算前は、未処理データや不備のある申請を短期間で確認しなければなりません。ERPにデータが集まっていても、入力品質が低ければ、決算早期化や管理精度の向上につながりにくくなります。

3-3. ERP投資の効果を十分に得られなくなる

ERPが定着しない状態では、業務効率化やデータ活用といった本来の導入目的の達成が見込めません。システムを導入しても手作業やExcel運用が残れば、全社でデータを一元管理するメリットが弱まります。

また、入力データの品質が低下すると、経営判断に必要なレポートや分析にも影響します。さらに、使いにくさを解消するために追加改修や再構築が必要になれば、IT投資が膨らみ、当初想定していた投資対効果を得にくくなるでしょう。

4. ERPの使いにくさを改善する方法

ERPの使いにくさを改善するには、システムそのものだけでなく、業務プロセスや運用ルールも含めて見直すことが重要です。まずは現状の課題を整理し、効果の高い施策から優先的に取り組む必要があります。

4-1. 現場の課題を把握して改善ポイントを整理する

最初に行うべきことは、ERP利用者の不満や業務上のボトルネックを把握することです。入力作業に時間がかかる業務、画面遷移が多い処理、差し戻しが多い申請などを洗い出すことで、優先的に改善すべきポイントが見えてきます。

利用者アンケートやヒアリングを行い、現場の声を具体的に集めることも有効です。問い合わせが多い業務プロセスや、経理部門で修正が集中している項目を分析すれば、教育・運用改善で解決すべき課題と、システム設定や連携で改善すべき課題を切り分けやすくなります。

4-2. 教育や運用ルールを見直す

ERPが使いにくいと感じられる原因の中には、操作教育の不足や運用ルールの不統一も含まれます。同じシステムを使っていても、部門ごとに入力ルールが異なれば、データ品質がばらつき、確認作業も増えるでしょう。

大切なのは、利用者の役割や権限に応じて、必要な操作範囲に絞った教育を行うことです。まずは全機能を一律に説明するのではなく、申請者、承認者、経理担当者ごとに必要な操作を整理します。FAQやマニュアルを整備し、よくある不備や問い合わせを減らすことも、運用定着に役立つでしょう。

4-3. ERPの設定や周辺システム連携を最適化する

ERPの設定を見直すことで、利用者の負担を軽減できる場合もあります。不要な入力項目や利用していない機能を整理し、業務に必要な情報だけを入力しやすくすれば、操作性の改善につながります。

また、ワークフローシステムや経費精算システム、請求書システムとの連携を強化することも重要です。OCRやAIを活用して領収書・請求書の読み取りや入力補助を行えば、手入力の負担を減らせます。ERPだけで解決しようとするのではなく、周辺システムも含めて全体最適を考えることがポイントです。

5. ERP改修だけでは解決できないケースもある

ERPの使いにくさを改善する方法として、カスタマイズや追加開発が検討されることがあります。しかし、ERP本体への大規模な改修は、保守性やコスト面で課題が生じやすく、必ずしも最適な解決策とは限りません。

5-1. ERPの大規模カスタマイズが抱える課題

ERP本体へのカスタマイズが増えるほど、標準機能からの乖離が大きくなります。個別開発した機能が増えると、アップデート時に追加改修が必要になったり、保守や障害対応が属人化したりするリスクがあります。

導入当初は特定の課題を解決できても、組織変更や法制度対応、新たな業務要件が発生した際に柔軟に対応しにくくなることもあるでしょう。短期的な使いやすさだけでなく、長期的な運用負荷やシステム刷新時の影響も考慮する必要があります。

5-2. ERPを活かしながら改善する考え方が重要

ERPの保守性を維持しながら現場の使いやすさを高めるには、ERPのコア機能の役割を明確にすることが大切です。会計処理、マスタ管理、統制に関わる基幹機能はERPに担わせ、現場に近い入力や申請業務は柔軟な仕組みで補完する考え方が有効です。

ERPの導入においては、製品の標準機能を最大限活用し、自社業務を柔軟に見直す「Fit to Standard」といった考え方も重要になります。ただし、全ての業務を標準機能に合わせられるとは限りません。標準化できる業務と、独自要件として補完すべき業務を切り分けることで、企業らしさを活かしながらERP製品が本来持つ機能を最大限に活用できるようになります。

Fit to Standardの詳細は以下の記事を参考にしてください。
>> Fit to Standardの意味とは?メリット・デメリット、進め方を解説

6. ERPフロントによる業務改善という選択肢

ERPの使いにくさを改善する方法として、ERP本体を改修するだけでなく、ERPフロントを活用する方法があります。ERPフロントとは、ERPの前段階で現場部門が利用する入力画面や申請ワークフローを整備し、ERPのコア機能と連携させる仕組みです。

ERPには標準機能やデータ管理を担わせ、現場向けの入力画面や申請業務をERPフロントで最適化すれば、ERP本体への追加開発を抑えながら、企業独自の業務プロセスへ対応しやすくなります。入力業務や承認業務を簡素化できれば、現場部門と経理部門の双方の負担軽減につながります。

7. ERPフロントとして活用できる経費精算システムSpendiaとは

Spendiaは、経費精算を中心に、請求書支払、振替伝票入力、稟議申請などのバックオフィス業務をクラウド上で効率化できるシステムです。大企業の複雑な経理業務や承認フローにも対応しやすく、経費精算・請求書処理・会計関連申請をまとめて管理する基盤として活用できます。

AI-OCRによる領収書・請求書のデータ読み取り、AI検印、AI伝票自動作成などの機能により、入力・申請・確認業務の効率化を支援できる点も特徴です。また、SAP、Oracle、SuperStream、GLOVIAなどのERPと連携して利用できるため、既存システムを活かした運用を検討できます。

また、本サービスは大企業での導入実績も豊富です。ERP導入・刷新プロジェクトで培った知見を持つTISI株式会社が提供しており、業務要件整理からシステム連携、導入後の運用支援まで幅広く対応しています。そのため、大規模な組織特有の複雑な要件や運用課題についても相談しやすい体制が整っています。

SpendiaのERPフロント機能の詳細は以下をご覧ください。

ERPフロント

8. ERPの使いにくさ改善にSpendia ERPフロントが役立つ理由

Spendia ERPフロントは、ERPを大きく改修せずに、現場部門が利用する入力画面や申請ワークフローを補完できる仕組みです。ERPには会計処理やマスタ管理などの基幹機能を担わせつつ、現場に近い申請・入力業務をSpendia側で使いやすく整えることで、保守性と利便性を両立しやすくなります。

8-1. 現場の入力業務を効率化する使いやすいUI/UX

Spendia ERPフロントは、現場部門が日常的に利用する経費精算や請求書申請、振替伝票入力などの業務を、分かりやすい画面で進められるように設計されています。

ERPの標準画面を直接操作する場合、専門的な項目やコード入力が多くなり、申請者にとっては負担になりやすいものです。Spendia ERPフロントを活用すれば、現場担当者は業務に必要な入力項目に絞った画面から申請できるため、入力作業の負担や迷いを減らしやすくなります。

また、振替伝票や各種申請を標準テンプレート化できるため、申請内容ごとに入力すべき項目や手順を整理しやすい点も特徴です。さらに、AI-OCRや生成AIを活用し、領収書や請求書のデータを読み取って伝票作成を支援できるため、手入力の削減も可能です。

8-2. ERPの保守性を維持しながら柔軟な業務対応を実現

ERPを大きく改修すると、バージョンアップ時の追加対応や個別開発機能の保守負荷が増える恐れがあります。Spendia ERPフロントは、ERPの前段にある申請・入力業務を柔軟に整備することで、ERPコアの保守性を維持しながら、企業ごとの業務プロセスや承認フローに対応しやすくします。

入力画面やワークフローはGUIベースで設定できるため、専門的な開発を抑えながら、自社の業務プロセスやルールに合わせた画面・承認ルートを設計しやすい点がメリットです。金額条件や組織階層に応じた多段階承認、代理承認、複数承認者による承認などにも対応できるため、大企業特有の複雑な承認フローにも適用しやすくなります。また振替伝票など会計伝票の標準テンプレートを用意しており、レイアウトや設定の変更もGUIベースで簡単に実装が可能です。

また、SAPやOracleなどのERPとは標準APIを活用した連携が可能です。ERPには会計処理やマスタ管理などの基幹機能を担わせ、現場の申請・入力業務はSpendia ERPフロントで最適化することで、ERPの標準機能を活かしながら、現場の利便性も高めやすくなります。

Spendiaの柔軟なワークフロー設定機能については、以下のページで詳しく解説しています。

汎用ワークフロー・UI設定

8-3. AI活用やERP連携によって経理業務の効率化を支援

Spendia ERPフロントは、現場の入力業務だけでなく、経理部門の確認業務や会計処理の効率化にも有効です。AIを活用した入力補助により、領収書や請求書の内容の読み取りや伝票作成を支援できるため、申請者の手入力を減らし、入力ミスの抑制につなげられます。

さらに、AI検印やAIを活用したチェックにより、経理担当者が目視で行っていた確認作業を効率化しやすくなります。規程違反や不正申請につながる恐れのある内容を検知しやすくなれば、差し戻しや確認作業の負担軽減にもつながるでしょう。AI伝票作成機能を活用することで、請求書や領収書の情報をもとに伝票作成を自動化し、経理部門の処理工数削減も期待できます。

承認済みのデータは会計システムへ自動仕訳連携できるため、ERPや会計システムへの転記作業を減らしやすくなります。電子帳簿保存法やインボイス制度にも対応しており、領収書・請求書の電子保存や適格請求書に関する確認をシステム上で進めやすい点もメリットです。AI活用とERP連携を組み合わせることで、現場部門と経理部門の双方にとって使いやすい業務基盤を整えられます。

SpendiaのAI機能の詳細は、以下のページをご確認ください。

AIエージェント機能

9. ERPの使いやすさ向上にはERPフロントの活用も有効

ERPが使いにくくなる背景には、画面の操作性だけでなく、業務プロセスとの不一致、周辺システムとの連携不足、運用ルールの複雑化などの課題があります。使いにくさを放置すると、現場の入力負荷や経理部門の確認作業が増え、ERP投資の効果を十分に得られません。

一方で、ERP本体への大規模改修は、保守性やコスト面で新たな課題を生む場合があります。ERPコアを活かしながら現場の利便性を高めたい場合は、ERPフロントを活用する方法も有効です。

経費精算や請求書支払、振替伝票入力などのフロント業務をSpendiaで整備すれば、ERPの保守性を維持しながら、現場部門と経理部門の業務負荷軽減を目指せます。ERPの使いにくさに課題を感じている場合は、Spendiaの資料請求や問い合わせを通じて、自社の業務に合う活用方法をご検討ください。

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更新日時:2026年8月14日 15時40分